林信行のインスタグラム(nobihaya) - 1月23日 15時38分


土とガラス、混じった2つの素材が生み出す強い存在感

Falling Into You
| Hidenori Tsumori / 津守秀憲
@ A LIGHT HOUSE CALLED KANATA (formally known as 西福ギャラリー)
-2/6 (Sat)
https://lighthouse-kanata.com/exhibitions

コロナ禍、日本を訪れたものの出国できずにいた米国の大学時代からの親友と年末食事をした。
その際、紹介してもらった有望な若手ギャラリスト、青山和平さん。
このコロナ禍、行きと帰りそれぞれ2週間の隔離期間を耐え、上海のアートエクスポにも足を運び、「コロナ明け」ともいう活況に驚かされたという。
日本の若手作家を世界に売り込もうという情熱、そして新しくオープンしたギャラリーがロケーションもしつらえもとにかく素敵ということなので、新しい展覧会の開催に合わせて訪問してみた。

2月6日(土)で終わってしまう個展の作家は津守秀憲。
金沢は有名な辰山工芸工房を修了した後、富山ガラス造形研究所の助手を勤め、現在はガラスと陶土の混合焼成、つまりガラスと土を一緒に焼いて作品を作るスタイルを確立した。

一瞬、岩にも見える確かな存在感を伝える大きさの作品。それが実は、硬質なはずのガラスが、膨張した土によって裂かれた姿だと知って最初は驚いたが、ある程度は自然に任されて作られたその形は、人工物であるはずなのに、自然の岩のようにも見える。

 もっと驚いたのが「存在の痕跡」というシリーズ。連なった細い円錐状のもの(尖った方が下を向いている)がまるで全速力で走っているフナムシか何かの節足動物のように見える(宮崎駿作品の王蟲ーオウム的とも言えるかも知れない)。
 作品をよくみると4点ほどが台に設置しているのだが、これがどうやって安定しているのかがわからない。立つように調整しながら円錐を張り合わせているのかと聞くと、そうではなく実は作るときは上下が逆さまで、頭を傾けながら最終のしあがりを想像しつつ作った経験則でできた作品だというのだ。

ちなみに作品が放つ存在感も凄いが、新規改装のギャラリーの存在感も素晴らしい。壁や床のテクスチャーの美しさと、作品がきれいに見えるように吟味しした照明のおかげでどんなアングルで作品を撮ってもめちゃくちゃ絵になる。
 しかも、ギャラリーの窓の目の前は西麻布の交差点で、高さはほぼ首都高と一緒。日没の時間になるとギャラリー全体を夕日がきれいに照らす。
 光を遮らず窓から自然採光している点も、購入したアート作品を家に置いたときのことをイメージする上でも良いのではないかと思った。
是非とも日没時間を狙って訪問して欲しいギャラリーだ。


昨年末、訪問しているにも関わらず、まだ記事化できていない展覧会がたくさんあります。2月いっぱいくらいは仕事が溜まっていて少しスローダウンしてしまいそうです…


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2021/1/23

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