林信行のインスタグラム(nobihaya) - 6月20日 01時41分


弘前のれんが倉庫の中で0と∞の音と光が溶け合う。
池田亮司、2009年以来となる13年ぶりの国内美術館での大規模個展。
(4月末に訪問。その後、忙しく遅れて今、投稿しています)

池田亮司展 | Ryoji Ikeda Solo Exhibition
弘前れんが倉庫美術館 | Hirosaki Museum of Contemporary Art
- 28 Aug, 2022

Ryoji Ikeda's first major solo exhibition at a museum in Japan in 13 years, since 2009.
This Ryoji Ikeda exhibition is a retrospective of past works, such as "data-verse 3", "point of no return" and "data.tecture [nº1]", which were shown at the 2019 Venice Biennale, but the light and sound emitted by each work The light and sound emitted by each work gradually overlap and resonate with each other, reconstructing the entire museum space as if it were a single work of art. The steel-framed structure, built about 100 years ago as a sake brewery, with a maximum height of 15 m, black coal tar walls and other organic and historical features, is united with the indefinite worldview created by Ikeda.

NASAをはじめ多くの科学機関によって一般に公開されたデータを収集し、加工、変換など様々な操作を経て視覚的な表現として構成した視覚と聴覚で体感する高解像度作品。
普段は不可視であるがゆえに意識されない膨大なデータを示す発光する文字や図表とそれに合わせて作られた音。やがて、そのデータは爆発的に増え、目でも頭でも処理しきれない光と音のシャワーに変わる…と、思うと突如、会場が暗転し静寂の闇が訪れる。こうした∞と0との間で揺さぶられているうちに、だんだんと自分が無我の境地へと誘われていく。池田亮司作品の鑑賞は、私にとって最高の瞑想体験だ。
 そして、おそらくそう思う人が世界中に大勢いるからこそ、ニューヨークやロンドンやヴェネツィアで彼の個展が開かれる度に、世界中からわざわざ池田作品を体験するためだけに人々が集まってくるのだと思う。
 コロナ前、私の最後の池田亮司展は2019年のヴェネツィア・ビエンナーレになるはずだったが、休館日にぶつかり見逃した。そんな中、4月末、他の展覧会で青森市を訪れた際に、リベンジも兼ねて弘前市まで足を伸ばし、まだ少し残っていた桜と共にここでしか見れない池田亮司を満喫してきた。
 そう。今回の池田亮司展は、私が見逃した2019年開催の第58回ヴェネチア・ビエンナーレで公開されたCERN(欧州原子核研究機構)やNASAなどの膨大なオープンデータを取り入れて制作された《data-verse 3》や《point of no return》、《data.tecture [nº1]》など過去に作られた作品を集めた回顧展ではあるが、それぞれの作品が発する光や音が、少しずつ重なり合い共鳴し合い、あたかも美術館の空間全体が1つの作品であるかのように再構成されている。約100年前に酒造工場として作られた鉄骨構造で、最大で高さ15m、黒いコールタールの壁など有機的で歴史を感じさせる建物が、池田の作り出す無期的な世界観と1つになっている。
 展覧会で弘前を訪れたら、弘前城と市内のそこかしこにある前川國男建築巡りをしてみることをおすすめしたい。

#池田亮司 #RyojiIkeda #弘前れんが倉庫美術館 #HirosakiMuseumOfContemporaryArt @hirosaki_moca


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2022/6/20

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