猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 4月3日 02時55分

低く輝く猫目月の夜。

ビロードの毛並みの黒い猫を抱いて、眺めていた。

こんな世界になっちゃったって思ってるのママ？

ん、まあね。

じゃあこんな世界になるまえは、どんな世界だったの？

そう聞かれると、意外と答えに詰まるわね。たとえば、外へ自由に出て、いろんなものを見れたとか？

ふうん…じゃ、何を見てたの？

これまた難題出してくるわね。たしかに、お店に行って服を見たり、美術館に行って絵を見たり、映画を見たりしても、本当に見てたのかなって、今になっては思うわね。

案外、見てるようで何も見てないものなんじゃないの？見てるフリをしに行ったり、人と同じことをしてるって、または人と違うことをしてるって、ただそれだけに満足してたのかもよ。

それってとどのつまり、なにかモノを見るまえに、見てる自分を見てれなかったってこと？

その答えは教えられないな。でも、今は案外見れてるでしょ？自分としかいないから。

そうね。案外いいものかもね。いや、かなりいいかも。

そろそろ寝ようか。

うん、そうだね。

#東京下町時間　#ピガ兄　#哲学家ピガ兄

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