桂美佳のインスタグラム(mikazurara) - 4月8日 19時46分
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こんばんは、桂です😊
今日は少し重い内容になりますが、どうしても多くの方に届けたい、悲しくも心温まった私の体験談です。
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「夫がね、亡くなったの。」
久しぶりにジムに復帰された、高齢の女性のお客様です。
この2年間、感染予防を理由にジムを離れるお客様は数多く、時の流れと共に復帰を果たされた方とは「予防をしっかりしながらまた一緒に頑張りましょう!」という会話からリスタートすることが多いのですが、この方は少し違いました。
長年連れ添った旦那様が病を患い、闘病の末にお亡くなりになりました。悲しみからやっと立ち上がった奥様はまた大好きだったジムに足を運び、以前からよく話していた私に思いを打ち明けてくださいました。
この2年間、人と人が切り離される時代の流れの中で、本当に辛く悲しい思いをされたことでしょう。
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なんと言葉を返したら良いか私が考えていると、その女性は穏やかな口調と表情で、とても印象深いお話を聞かせてくださいました。
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旦那様は無口で頑固で、感謝や謝罪も滅多に口にしないような方だったと言います。特に仕事やお金に関してはこだわりが強く、周りに迷惑をかけても我儘を通す人だったとのこと。
さらに、若い頃から女性関係のトラブルが尽きなかったとか。
と、ここまでは以前にも聞いていました。
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「好きか嫌いかもわからなくなってたの。」
「一緒にいるためには受け入れるしかなかったのよ。」
「もうね、本当に憎たらしかったわ。」
「絶対許さない、っていつも思ってたの。」
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そんな言葉とは裏腹に女性の表情は柔らかく、怒っているようにはとても見えませんでした。
でも本当に怒っていた、憎かった、許せなかったと、女性は言います。
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旦那様は亡くなる直前に、奥様にはっきりと、
「迷惑かけたな。お前がいてくれてよかったよ。ありがとう」
と言い、最後の力で笑顔を見せてくれたそうです。
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「それを聞いたらね、もうこの人を許そうって思ったの。本当に憎たらしくて、死んでも許さないってずっと思ってたけど、もう今までのことは全部許してあげようって。何十年も苦しんだけど、この人と一緒になってよかったって心から思えたのよ。」
そう笑顔で話す女性の目が一瞬にして涙でいっぱいになったので、私も堪えきれなくなり慌てて場所を変えようとしましたが、女性は「聞いてくれてありがとう、桂さんがいてくれて本当によかった。またよろしくね!」と、足早に友人との再会へと向かっていきました。
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女性の長年の怒りが消えてよかった。
耐え忍んで苦しんだ日々がいい思い出に変わって、怒りが愛に変わって、本当によかった。
この女性のこれから始まる新しい生活が輝かしいものであることと、残りの人生が笑顔で溢れることを、心から祈ります。
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これは決して、
『終わりよければ全てよし』
という話ではありません。
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世の中には、この女性の過去のようにパートナーや身近な人に対して怒りや不満、わだかまりを持って毎日を過ごしている人がいます。
当然ながら、その人全員が、この高齢の女性のように相手の死に際に立ち会い笑顔を見られるとは限りません。
何を意味するかといえば、
もし相手を許すきっかけがないまま相手が死んでしまったら、それがどれだけ悲しいことかということ。死んでしまうことはなくても、もう関わらなくなる場合もそうです。
きちんと向き合って許すきっかけが生まれれば、苦しんだ日々がいい思い出に変わるかもしれないのに。怒りが愛に変わるかもしれないのに。
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私たちは当たり前のように毎日を更新しています。「またあとで」「また明日ね」と、未来がくること前提で過ごしていますが、未来に絶対はありません。
怒りや苦しみを抱えたまま一人になってしまうのは、どれだけ辛く悲しいことでしょう。
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ジムでの出会いから、今を生きることの意味と、人と向き合うことの大切さを改めて学びました。
今もしこれを読んでくださっている人の中に、誰かへの怒りや憎しみを抱えている人がいたら、
その人が生きている、今のうちに、
一緒に過ごしている、今のうちに。
怒りや憎しみが愛や感謝に変わるようなきっかけが生まれることを願いながら、今日は記事を閉じます。
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photo by @uchistyle thanks❤︎
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2022/4/8