中井智彦のインスタグラム(nakaitomohiko) - 11月3日 11時51分


「盲目の秋」ができた経緯を想い、中也の気持ちを感じた後にこの詩を読むと、中也を演じる中で、どうしてもこの詩を音楽として形にしたいという思いが強くなりました。
「盲目の秋」は、先に作っていた「サーカス」のメロディからリフレインしていくような感じで、まずは第2章を作っていきました。
第1章は、レチタティーヴォというオペラなどで使われる歌の技法を用いて、語るように表現しました。その中に、敵わない大自然の形を芸術に見立て、爆発的な音を入れたりもしています。
第3章を読んだ時、頭の中に、シューベルトの「アヴェ・マリア」が流れてきました。「アヴェ・マリア」のようなイメージのメロディラインの中で、音が途中で切れるなど、未完成的な部分を残し、中也の女々しさや危うさ、儚さを表現しています。
第4章は、泰子に自分の最期を看取って欲しいという願い、泰子への想いの丈を、レクイエムとしてつけました。実は、この「盲目の秋」の他に、「幻影」と「夏」の詩にも、同じ旋律を使っています。「幻影」からは、幼い頃から中也の頭の中に住み着いているピエロ(=芸術)が、自分が結婚することによっていなくなってしまうのではないか、今まで自分が抱いていた芸術感覚が無くなってしまうのではないか、という不安が感じられます。この「ピエロとの別れ」を、レクイエムで表現しました。「夏」は、僕が作った音楽舞台「詩人・中原中也の世界〜在りし日の歌〜」を締めくくる詩なのですが、中也が死の瞬間、芸術に抱きしめられて亡くなっていくという、中原中也自身へのレクイエムになっています。


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2020/11/3

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