森美術館のインスタグラム(moriartmuseum) - 8月2日 21時00分


🍴 ARTISTS COOKBOOK BY MAM
レシピ#18
ライアン・タベット「石のスープ」

現在地:カリフォルニア州サンフランシスコ

レバノン出身のコンセプチュアル・アーティスト、ライアンが送ってくれたレシピは「石のスープ」。彼がおばあさんから聞いたこのお話は、ポルトガルの民話が元になっていると言われ、広くヨーロッパ各国に伝わっています。子供の絵本としてもいくつかのバージョンが発行されています。コロナの時代にはとりわけ示唆に富んだお話です。

• 料理にまつわるストーリー/レシピ🍲
私は、あまり料理が上手じゃない。
だから生き残るためにいくつかのものを作ることを学んだ。
卵を茹でたり、マッシュポテトを作ったり。
この「ARTISTS COOKBOOK」プロジェクトに招待された当初、自主隔離の間によく作っているマッシュポテトのレシピを送ろうと思った。
でも、ふとその時、祖母が私にしてくれたこんな話を思い出した。

むかしむかし、大飢饉があり、人々はこぞって食べ物を買いだめた。
ある日、ひとりの旅人がある村に到着し、その夜に泊まる宿を探していたときのこと。
村人は旅人に「ここには、食べるものは何もないから、泊まらずに先に進んだ方がいい」と言った。
旅人は答えた。「ああ、私は必要なものはすべて持っています。実際、石のスープを作って、皆と一緒に分かち合おうと思っていたのです」
旅人はバッグから鍋を出して水で満たし、火を焚き、鍋を火にかけた。そして、ポケットから石を出して、鍋に落とした。
食べ物のうわさを聞きつけた村人たちはみな、見知らぬ旅人がスープを調理するのを見ようと広場に駆け付けた。
スープの香りを嗅いだ旅人が期待に舌なめずりをすると、さらなる空腹感が村人たちを襲う。
「石のスープは大好物だが、ある時、そういえばキャベツ入りの石のスープを食べたなあ」 と旅人。
村人のひとりが叫んだ。「うちにキャベツがある!」走って家に帰り、取ってきたキャベツを鍋に入れた。
まもなく他の村人たちも、自分のお気に入りのスープのことを想像し始めた。すると、買いだめして食器棚に隠しておいた数々の具があたまに浮かぶ。
次々と村人たちは家に帰り、ジャガイモ、タマネギ、牛肉などの具をもってきて鍋に入れた――スープが美味しくなって、みんながたっぷりと楽しめるようになるまで。
すべての人にスープを注いだ後、旅人は、鍋の底に残っていた石を自分のポケットに戻し、そのまま旅を続けた。

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2020/8/2

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