宮司愛海のインスタグラム(manami_miyaji) - 6月25日 23時16分

【直島・豊島旅行記④】
実は、豊島には行く予定がなかった。
直島を1泊2日で回る計画で、2日目は月曜日だったこともあって休館日のところが多くさてどうしたものかと思っていたら（調べて行けという話）、ちょうど知人から「豊島美術館は絶対に行くべき」という連絡が来て、急遽豊島行きを決めたのだった。

月曜の朝、直島から高速船で豊島へ向かい、港の近くで自転車を借りて豊島美術館まで30分の山道をサイクリングする。思いの外急な坂道ばかりで、電動自転車でなかったら絶対に心が折れていただろうと思いながら無心でペダルを漕ぎ続けると、突如ひらけた視界。どこまでも続く瀬戸内海。棚田。広い空。なんの前触れもなくあまりにも壮大な景色が現れたので本当にびっくりして、美術館まであとちょっとの距離なのに、その場でしばしぼーっとしてしまった。

豊島美術館は、アーティスト内藤礼さんと建築家西沢立衛さんによる作品一点のみの美術館。自然の中に作られた遊歩道を歩いていくと、大きなコンクリートのドームのようなものが現れ、靴を脱いで中に入る。二つ、天井に大きな穴が空いていて、そこから外の景色が見え、そよそよと風も吹き込んでくる。足もとには、至る所に開いた小さな穴から水がこぽこぽと溢れ出てはかたまりを作り、ある場所では合体して大きな水たまりになり、ある場所ではちょろちょろと音を立てながら穴に吸い込まれ姿を消していく。あまりにも儚くて、水に人の一生を重ね合わせ見入った。

時計を見なければずっといただろうな、というくらいに、そこに流れる時間がとてもスロー。寝ている人、何をするでもなくぼーっとしている人、それぞれが好きなように過ごしているその光景もまた、この作品の一部なのだなと。
今度は、違う季節に来てみたい🌱

つづく。

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