Netflix Japanのインスタグラム(netflixjp) - 6月5日 20時45分

#小日向文世（内閣総理大臣） - 『THE DAYS』キャストインタビュー

「３.11の時の総理を演じられるのは最初で最後」

――総理役のオファーにはためらいはありませんでしたか？
なかったですね。3.11の時の首相を演じることは経験できないですし、最初で最後だと思っていました。当時の首相が原発事故の対応をめぐって右往左往していたのは報道で知っていましたが、実際のところはどうだったのかという興味もありました。

――実在の人物を演じる難しさはありましたか？
当時の官邸の状態、首相の行動は報道などで知って、どこかで参考にしていた部分もありますが、まずは台本の首相の言葉、局面局面においての行動を確認し、監督の要求に応えていきたいと思いました。
総理が東電本店に行って「お前たちも死ぬ気でやれ」というシーンなどは言い方がかなり荒い感じになっていますが、その裏には総理の、このままだと本当に日本が沈没してしまうという必死さ、その切羽詰まったなかでの行動であり、言葉だったんじゃないかと想像して演じました。ドラマをご覧になって「なんて非常識な総理なんだ」と思う方もいるかもしれないけれども、彼は彼なりに必死になって、それこそ死ぬ覚悟で日本を守ろうとしたんじゃないかな。

――苛立ちや焦燥感をあらわにするシーンが多かったです。
基本的にずっといらだっていますよね。正直、少し穏やかな表情みたいのがなかったのかなと思いましたが（笑）、究極の時間を過ごしたんだろうなと思っています。そのイライラの局面がどんどん重大になっていくのに合わせ、強弱やリアリティーをどうやって出していくか。見ている方に、それだけ大変なことが刻一刻と迫っていることが伝わればいいなと思っていました。当時の首相がどうやって危機を回避しようとし、国民を救うことに必死になっていたことを腹の中において、丁寧に演じなければと思いました。
私自身、「日本が北海道と西日本に分断されてしまう」というセリフにはインパクトを受けました。僕は東京にいて、そこまで切迫した状況を感じてはいなかったんだけれども、本当に日本は紙一重の状況、下手すれば完全に終わっていたかもしれない。そんな中でよく持ちこたえたなと思いました。

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