草刈民代さんのインスタグラム写真 - (草刈民代Instagram)「この写真しかないのが残念!  TOHOシネマズ日本橋にてロイヤル・バレエの「マイヤリング」を鑑賞。  19世紀末、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフが、17歳の愛人と心中した”マイヤリング事件”を題材にした作品。主演は平野亮一さん @riohirano   “マイヤリング事件”とは、1889年1月に発生したオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフと男爵令嬢マリー・ヴェッツェラの心中事件。宮廷社会の中で抑圧され、不幸な境遇で育ったルドルフの死に至るまでを描いた作品。  振付は、イギリスを代表する大振付家ケネス・マクミラン。「演劇」と言いたくなるようなドラマティックなバレエ作品を多く生み出してきた。  この「マイヤリング」も、“バレエの(身体)言語による演劇作品“と言えるもの。バレエ引退後、演劇公演に出演したり、観ることが多くなっていた私は、序盤で「言葉が聴こえてこない」ことに違和感を感じる瞬間があったほどだった。  しかし平野さん演じるルドルフや、彼を取り囲む女性たちの、「踊り」とも「芝居」ともいえる演技に引っ張られて、すぐに作品の世界観に引き込まれてしまった。  この作品は官能的な描写が多い。精神的な抑圧を受けて生きてきたルドルフは、自らの歪んだエネルギーに振り回されている。彼には女性が必要で、その歪んだエネルギーを関係する女性たちにぶつけるのだ。官能的な描写はその顕れでもある。  主役のルドルフは出ずっぱり。彼を取り巻く女性5人を相手に何曲パ・ド・ドゥを踊っていただろうか?  「超絶技巧」と言われるほどの複雑なリフトやステップで構成されたパドドゥを通して浮かび上がるのは、ルドルフの孤独や哀しさ、そして、憐れさだ。  最終幕、麻薬にも蝕まれ、身も心もボロボロになったルドルフの切実さには心打たれた。ルドルフを演じている平野さんがルドルフと同化し、切実に辛さを感じていることが伝わってきたからだ。  孤独に打ち勝てず、あらゆる欲望に翻弄され、自分のエゴにも打ちのめされ、女性に救いを求めるしかなくなってしまった男性の最後。そして、その男性に心を捧げてしまった若い女性。二人の狂気を本当に目の当たりにしてしまったような気持ちになった。  これこそ舞台芸術の極みの体験だ。  作品の幕切れは、ルドルフと共に命を捨てた、ナタリア・オシポワ演じるルドルフの若い愛人が舞台上に運ばれてきて棺に入れられる。  それを見守るルドルフのお気に入りの御者を演じた、アクリ瑠嘉くん @lucapino36 が佇んでいるところで緞帳が降りる。  涙を溜めて佇むアクリくんの顔が印象的だった。彼もまた、本当にルドルフの死を悼んでいるのが伝わってきた。観客は彼と共にルドルフの悲劇に心を寄せる。  正に演劇的な瞬間だった。  この作品は44年前に初演されたという。44年前にこの作品が作られたことは驚きだが、その44年の間に、ルドルフ役をはじめ、役を任されたダンサーたちは、時に自分をすり減らすほどのプレッシャーと闘いながらこの作品に挑戦してきたに違いない。  しかし、それは同時に、まず創作者である振付家・マクミランの挑戦であったはずだ。  44年経った今もなお「超絶技巧」と言わしめる振付。その創作のために注がれたエネルギーはどれほどのものだったであろうか。  伝統とは、高い「志」の継承なのだと腑に落ちた。これは「なごみ」という雑誌の連載で、古典芸能の方々11人と対談させていただいたときに感じたことでもある。幕間のインタビューでも、ケビン・オヘア芸術監督が「団員たちはこの作品を愛し、尊敬している」というお話をされていたが、それが伝わってきた公演だった。  ロイヤル・バレエが今なお素晴らしいのは、脈々と続く、その志の継承があるからだ。  今後『世の中はAI化されるところが多くなる』といわれて久しい。そうなった場合、舞台芸術の存在はどのようになっていくのだろうか?  この「マイヤリング」で舞台芸術の極みを味わう経験をして思ったのは、舞台芸術が持つ高揚感は特別なものであり、それに変わるものは、おそらくない、ということだ。  もちろんそれは、その「極み」を体験させてくれるものにしか当てはまらない。それは容易なことではないとわかっていても、観る側も、踊る側も、創る側もそれを求める。  その「極み」の体験こそが、舞台芸術の存在する理由であり、観客を含め、踊るひと、創るひと、関わるひと全ての夢でもあるからだ。  平野くんは、声も言葉も存在しない演劇作品で、ルドルフという人の絶望的な終焉を見事に表現した。絶望感に敗れ、死を選んだ男女の最後の瞬間は、気が重くなるほどリアルだった。  素晴らしい公演でした。平野くん、そしてアクリくんも、ご成功おめでとうございます!  来年のロイヤル・バレエの来日公演が楽しみです😊  #平野亮一 #アクリ瑠嘉 #バレエ #ロイヤルバレエ #マイヤリング #rohmayerling」12月25日 22時01分 - tamiyo_kusakari_official

草刈民代のインスタグラム(tamiyo_kusakari_official) - 12月25日 22時01分


この写真しかないのが残念!

TOHOシネマズ日本橋にてロイヤル・バレエの「マイヤリング」を鑑賞。

19世紀末、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフが、17歳の愛人と心中した”マイヤリング事件”を題材にした作品。主演は平野亮一さん @riohirano

“マイヤリング事件”とは、1889年1月に発生したオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフと男爵令嬢マリー・ヴェッツェラの心中事件。宮廷社会の中で抑圧され、不幸な境遇で育ったルドルフの死に至るまでを描いた作品。

振付は、イギリスを代表する大振付家ケネス・マクミラン。「演劇」と言いたくなるようなドラマティックなバレエ作品を多く生み出してきた。

この「マイヤリング」も、“バレエの(身体)言語による演劇作品“と言えるもの。バレエ引退後、演劇公演に出演したり、観ることが多くなっていた私は、序盤で「言葉が聴こえてこない」ことに違和感を感じる瞬間があったほどだった。

しかし平野さん演じるルドルフや、彼を取り囲む女性たちの、「踊り」とも「芝居」ともいえる演技に引っ張られて、すぐに作品の世界観に引き込まれてしまった。

この作品は官能的な描写が多い。精神的な抑圧を受けて生きてきたルドルフは、自らの歪んだエネルギーに振り回されている。彼には女性が必要で、その歪んだエネルギーを関係する女性たちにぶつけるのだ。官能的な描写はその顕れでもある。

主役のルドルフは出ずっぱり。彼を取り巻く女性5人を相手に何曲パ・ド・ドゥを踊っていただろうか?

「超絶技巧」と言われるほどの複雑なリフトやステップで構成されたパドドゥを通して浮かび上がるのは、ルドルフの孤独や哀しさ、そして、憐れさだ。

最終幕、麻薬にも蝕まれ、身も心もボロボロになったルドルフの切実さには心打たれた。ルドルフを演じている平野さんがルドルフと同化し、切実に辛さを感じていることが伝わってきたからだ。

孤独に打ち勝てず、あらゆる欲望に翻弄され、自分のエゴにも打ちのめされ、女性に救いを求めるしかなくなってしまった男性の最後。そして、その男性に心を捧げてしまった若い女性。二人の狂気を本当に目の当たりにしてしまったような気持ちになった。

これこそ舞台芸術の極みの体験だ。

作品の幕切れは、ルドルフと共に命を捨てた、ナタリア・オシポワ演じるルドルフの若い愛人が舞台上に運ばれてきて棺に入れられる。

それを見守るルドルフのお気に入りの御者を演じた、アクリ瑠嘉くん @lucapino36 が佇んでいるところで緞帳が降りる。

涙を溜めて佇むアクリくんの顔が印象的だった。彼もまた、本当にルドルフの死を悼んでいるのが伝わってきた。観客は彼と共にルドルフの悲劇に心を寄せる。

正に演劇的な瞬間だった。

この作品は44年前に初演されたという。44年前にこの作品が作られたことは驚きだが、その44年の間に、ルドルフ役をはじめ、役を任されたダンサーたちは、時に自分をすり減らすほどのプレッシャーと闘いながらこの作品に挑戦してきたに違いない。

しかし、それは同時に、まず創作者である振付家・マクミランの挑戦であったはずだ。

44年経った今もなお「超絶技巧」と言わしめる振付。その創作のために注がれたエネルギーはどれほどのものだったであろうか。

伝統とは、高い「志」の継承なのだと腑に落ちた。これは「なごみ」という雑誌の連載で、古典芸能の方々11人と対談させていただいたときに感じたことでもある。幕間のインタビューでも、ケビン・オヘア芸術監督が「団員たちはこの作品を愛し、尊敬している」というお話をされていたが、それが伝わってきた公演だった。

ロイヤル・バレエが今なお素晴らしいのは、脈々と続く、その志の継承があるからだ。

今後『世の中はAI化されるところが多くなる』といわれて久しい。そうなった場合、舞台芸術の存在はどのようになっていくのだろうか?

この「マイヤリング」で舞台芸術の極みを味わう経験をして思ったのは、舞台芸術が持つ高揚感は特別なものであり、それに変わるものは、おそらくない、ということだ。

もちろんそれは、その「極み」を体験させてくれるものにしか当てはまらない。それは容易なことではないとわかっていても、観る側も、踊る側も、創る側もそれを求める。

その「極み」の体験こそが、舞台芸術の存在する理由であり、観客を含め、踊るひと、創るひと、関わるひと全ての夢でもあるからだ。

平野くんは、声も言葉も存在しない演劇作品で、ルドルフという人の絶望的な終焉を見事に表現した。絶望感に敗れ、死を選んだ男女の最後の瞬間は、気が重くなるほどリアルだった。

素晴らしい公演でした。平野くん、そしてアクリくんも、ご成功おめでとうございます!
来年のロイヤル・バレエの来日公演が楽しみです😊

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2022/12/25

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