北欧、暮らしの道具店さんのインスタグラム写真 - (北欧、暮らしの道具店Instagram)「【エッセイ】「なんてあたたかで素敵な人なんだろう」 . - - - - - - - - - - - - 挙式の準備を進めている義娘から 興奮気味のメールが届いた。 『Aさん、素敵な人でした!』  Aさんは私の友達である。 息子を幼い頃から知っていて、 息子夫婦の挙式の着付けと介添を頼んだのだ。  先日式場で打ち合わせがあったそうで、 義娘は初めて対面した。 その印象を熱く綴ってきたのである。   母校のキャンバスで挙げるため、 電車とバスを乗り継ぎ、 遠方まで付き合ってもらった。  若いふたりは帰り道、 お茶の仕事で忙しいAさんを 自分たちのために拘束してしまうのを、 だんだん心苦しく思い始めたらしい。  すると不意にAさんがこう言った。  「結婚式のお手伝いなんて楽しすぎる! 人の幸せを見ると自分も幸せになるの」  『心からそう言ってくださるのがわかって。 なんてあたたかで素敵な人なんだろうと……』。  メールには、素敵の2文字が2回。 号泣の絵文字も踊っていた。  きっとふたりの気持ちを察して言ってくれたのだろう。  我が身を振り返ってみた。 人に何かを頼まれたとき、 喜んでやっているだろうか。 どこかで、やってあげている、 手伝ってあげているという気持ちがありはしないか。 Aさんのように言えるだろうか。   彼女は友人の間でも、子どもの七五三や 冠婚葬祭にしょっちゅう着付けを頼まれている。 そういえばそのたび、スマホの写真を 楽しそうに眺めながらつぶやいていた。  「私、七五三のお手伝い大好き。かわいいんだもん」 「着付けをしているとどんどん着る人が 晴れやかな笑顔になっていくから、 こっちまで嬉しくなっちゃう」  心からそう思えないと、 あんな嬉しそうな顔はできない。  喜びを数えるのが上手い人がいる。 それは上手くなろうと思うだけでは 手に入れられない能力で、 ふだんからやわらかで おおらかな気持ちがないと身につかない。  私は誰かのサポートをするとき、 ついどれだけ感謝されたかとか、 本当に役に立ったかを図りがちだ。  Aさんは心から花嫁の介添を 楽しいと思ってくれたのだろう。 そう思える、喜びの数え方が上手い人だからみな、 大事な家族の記念日を彼女に 頼みたくなるのだとわかった。  私からもそっとお礼を伝えると、 返信の一部にこんな言葉があった。  『帰りはバスに揺られて3人で おしゃべりしながら帰ったけど、 なんだかほっこりしたわー。  母親ってこんな感じなのかなぁと、 一枝ちゃんが羨ましかった!』  そうそう、彼女は昔から子どもが大好きだった。 私までほっこり、そしてちょっとほろりとした。  きっとバスの中で義娘が 願ったであろうことを私も思った。 こういう言い方ができる素敵な大人に私もなりたい。 . . (テキスト:文筆家 大平一枝 さん) - - - - - - - - - - - - . #エッセイ#コラム#大平一枝 さん#結婚式#七五三#着付け#日々#暮らしを楽しむ#日々の暮らし#北欧#暮らし#北欧暮らしの道具店」4月25日 7時00分 - hokuoh_kurashi

北欧、暮らしの道具店のインスタグラム(hokuoh_kurashi) - 4月25日 07時00分


【エッセイ】「なんてあたたかで素敵な人なんだろう」
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挙式の準備を進めている義娘から
興奮気味のメールが届いた。
『Aさん、素敵な人でした!』

Aさんは私の友達である。
息子を幼い頃から知っていて、
息子夫婦の挙式の着付けと介添を頼んだのだ。

先日式場で打ち合わせがあったそうで、
義娘は初めて対面した。
その印象を熱く綴ってきたのである。

 母校のキャンバスで挙げるため、
電車とバスを乗り継ぎ、
遠方まで付き合ってもらった。

若いふたりは帰り道、
お茶の仕事で忙しいAさんを
自分たちのために拘束してしまうのを、
だんだん心苦しく思い始めたらしい。

すると不意にAさんがこう言った。

「結婚式のお手伝いなんて楽しすぎる!
人の幸せを見ると自分も幸せになるの」

『心からそう言ってくださるのがわかって。
なんてあたたかで素敵な人なんだろうと……』。

メールには、素敵の2文字が2回。
号泣の絵文字も踊っていた。

きっとふたりの気持ちを察して言ってくれたのだろう。

我が身を振り返ってみた。
人に何かを頼まれたとき、
喜んでやっているだろうか。
どこかで、やってあげている、
手伝ってあげているという気持ちがありはしないか。
Aさんのように言えるだろうか。

 彼女は友人の間でも、子どもの七五三や
冠婚葬祭にしょっちゅう着付けを頼まれている。
そういえばそのたび、スマホの写真を
楽しそうに眺めながらつぶやいていた。

「私、七五三のお手伝い大好き。かわいいんだもん」
「着付けをしているとどんどん着る人が
晴れやかな笑顔になっていくから、
こっちまで嬉しくなっちゃう」

心からそう思えないと、
あんな嬉しそうな顔はできない。

喜びを数えるのが上手い人がいる。
それは上手くなろうと思うだけでは
手に入れられない能力で、
ふだんからやわらかで
おおらかな気持ちがないと身につかない。

私は誰かのサポートをするとき、
ついどれだけ感謝されたかとか、
本当に役に立ったかを図りがちだ。

Aさんは心から花嫁の介添を
楽しいと思ってくれたのだろう。
そう思える、喜びの数え方が上手い人だからみな、
大事な家族の記念日を彼女に
頼みたくなるのだとわかった。

私からもそっとお礼を伝えると、
返信の一部にこんな言葉があった。

『帰りはバスに揺られて3人で
おしゃべりしながら帰ったけど、
なんだかほっこりしたわー。

母親ってこんな感じなのかなぁと、
一枝ちゃんが羨ましかった!』

そうそう、彼女は昔から子どもが大好きだった。
私までほっこり、そしてちょっとほろりとした。

きっとバスの中で義娘が
願ったであろうことを私も思った。
こういう言い方ができる素敵な大人に私もなりたい。
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(テキスト:文筆家 大平一枝 さん)
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2021/4/25

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