大友陽平のインスタグラム(nikkan_ohtomo) - 3月1日 02時22分


【日曜の夜に】

第4回:「円陣」

相手打者を打ち取った投手や野手がベンチに帰ってくる。監督からの指示を受けると、主将の出番だ。

「次の1点をどっちがとるか。こっちがとるぞ!」

「切り替えていこう!」

「さあいこう!」

◇ ◇

高校時代、特に自分たちの代になって主将という役割を担うようになってからは、試合中、野球をプレーするよりも次の円陣でどんな言葉をかけるか…。練習であれば、締めの円陣で今日は何を話そうか…。そんなことばかり考えていた。
(それは最後の夏の大会2カ月前までレギュラーとは言えず、ベンチウォーマーだったからに他ならず、そしてだからといって、話すのがうまくなったわけではない…)

円陣をする目的は、試合前、試合中、試合後によって、そして状況によって異なるが、1番はチームとしての「確認事項」を共有することになるが、周りが見えていないなという時は冷静に呼びかけたり、リラックスしたい時はあえて何の気もない話をしたり、逆に勢いが欲しい時は強い言葉であおったり…。

なるべく落ち着いて物事を見ていたいと考えるのは、多分これらの円陣の経験がいきていると思う。(実際そうできているかは…分かりません笑)

◇ ◇

自分がやっていたのは野球だが、サッカーでもバスケでも、おおよそのチームスポーツで欠かせないものだが、アーティストやアイドルのライブ前などでもおなじみの光景となっているようだ(日本だけ?)。

最近では、プロ野球の各球団が試合前の円陣の模様をSNSで公開することが増え、ライブDVDの特典映像やドキュメンタリー映像に収録されるのも恒例。

「どんな風に臨んでいるんだろう?」というファン心理に応えるとともに、話す側を少しでも経験している立場からすると、「どんな話をしているんだろう?」と自らと重ね、まるで自分も話したり、聞いている立場になってしまうからおもしろい。

リーダーとしての資質は、円陣の言葉だけではかられるものではないが、〝チーム〟をまとめる上で大事な要素の1つであることも間違いないだろう。

◇ ◇

記者の仕事は、組織の中でのもので、チームプレーももちろんあるが、基本的には個人勝負なところも多く、〝円陣を組む〟ようなことは、まああまりない。(会議や打合せも広義でいえば円陣?)

2014年の春。AKB48の国立競技場コンサート開演直前に、コンコースで上司や記者・カメラマンの同僚たち(7~8人)となぜか円陣を組んだ。スポーツの聖地だったからか、いつになく大勢で駆けつけ、公式パンフレットを作りきり、それが多くのファンの手に渡っている様子を見て、きっと気分が高揚していたのだろう…。

先日、もう新しくなった国立競技場の近くを歩いて、なぜかそんな思い出がよみがえった。

#日曜の夜に #エッセー


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2021/3/1

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