平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 2月22日 20時07分




『忘れたくない温もり』


人生は常に選択のくり返しだ。
彼が仕事で遠くの街に行くことも
私がまだ学生でこの場所を離れられないことも
愛の為に全てを捨てないことも
私たちの意志で選択した結果であり
泣き言を言ったり誰かを責めたり
できるはずもないのだ。


「これが最後になるかもだね……」
「何言ってんの。また3ヶ月後には会えるじゃん」
「3ヶ月後なんてどうなってるか分からないよ。人の気持ちなんて変わるもん。環境だって価値観だって、いつも目まぐるしく変わっていくの。“絶対”なんてないんだから」
「……もう黙って」

そう言って彼は強引に私の唇にキスをした。
そのまま乱暴に服を脱がし私をベッドに押し倒す。
傷ついてるの?
それともこれから起こりうる未来を憂いてるの?
彼の剥き出しになった感情は
全て私への愛撫に変換されていく。

彼は私のショーツを脱がして躊躇なくその場所に顔を埋めた。
突然の行為に羞恥心が湧き出るが、
その気持ちを思うと抵抗する気になれなかった。

脳の奥から小さな痛みを帯びた甘い快楽が押し寄せてくる。
苦しくて気持ち良くて
どうしようもないくらい、悲しい。

オーガズムに達した瞬間、涙が溢れた。
私は彼にしがみつき、
早く一つにしてと身体中で訴えた。
彼は私を抱きしめ返し
すぐにその想いに応えてくれた。
汗で湿った彼の背中に手を回し
全身でその体温を自分の中に取り込む。

なんで私は欲しがってばかりで
捨てられないの?
こんなにも
この温もりを
この愛しさを
忘れたくない、手放したくないと
強く思うのに。

「……離れたくない」

心に浮かんだその一言を
先に発したのは彼だった。
彼は両頬に涙を伝わせながら
残された時間を惜しむように
何度も何度も私を抱いた。


毎日一緒に暮らした2年3ヶ月が終わる。
私は決して後悔しない。この選択を。



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この時期になると物理的に離れてしまう関係が増えると思うのですが、その時大きな選択を迫られると思います。
悩んで悩んでやがて決断を下す時、それは決して間違ってないのだと信じるしかないんですよね。

別れを選んだ人も遠距離恋愛することを選んだ人も、みんなが前向きに未来に向かって進んでいけますように。



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2020/2/22

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