大杉隼平のインスタグラム(shumpeiohsugi_photographer) - 10月27日 21時54分
もう何年も前の事だ。
撮影終わりに出会ったおじさん。
おじさんは公園に住んでいた。
日が暮れるのを忘れて、色々な話しをした。神父だったおじさんはボロボロの聖書を大事そうに持っていた。どれだけ読んだらこんなになるのだろう。聖書は歩んだ時間を感じさせてくれるものだった。
おじさんはいつも寂しそうな目をしていた。
ただ、口癖のように言っていたのは「大丈夫。大丈夫だよ」その言葉はふと安心感を与えてくれる力強いものだった。
毎週のようにその公園に足を運ぶようになった。おじさんはある日、写真を撮ってくれないかと言った。
その日に撮った写真を、暗室でプリントしおじさんにプレゼントした。おじさんは涙を流し、とても喜んでくれた。
その翌週。公園に行くとおじさんの姿はなかった。
何度も日を変えておじさんに会いに公園に足を運んだが、あの日からおじさんには会えないでいる。
いつかおじさんは夢を話してくれた。何十年も会えていない娘さんに会いに行きたいと。いつになっても大切な人。会いたい人。会えることだけが夢だと話すおじさんの気持ち。
おじさんはクリスマスを楽しみにしていた。あの日から沢山の月日が流れた。
おじさん、あなたとの出会いをふと思い出します。
公園の横を通ると、今でも聞こえてきます。「大丈夫、大丈夫。」と。
とても大切な出会いだった。
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2018/10/27