二宮愛のインスタグラム(aininomiya) - 1月23日 18時06分
音を聞くという行為が、なんだかストレスに感じていた。
*
朝の目覚ましの音
玄関のドアを開く時の音
加湿器がフル稼働している音
何重にも重なる時計の音
通りの話し声
家の前の道を車が走る音
遠くの電車の音
つけっぱなしのテレビの音
*
パソコンをつけなくても、
携帯オフにしていても、
電源タップを全てオフにしていても、
聞こえる、どこか人工的な音。
*
家の近所に川がある。
散歩していると、川のせせらぎが聞こえる。
でも、そっと耳をすませてしまうと、それ以外の雑音も聞こえてくる。
集中して聞けない、自然の音。
*
何万円もするヘッドホンから聞こえてくる音楽は、
リラックスするものではなく、仕事のツールに見えてきて、
安いイヤホンから聞こえてくる、どうしようもなくくだらないループ音だけが
何も要求してこないし思い出させない、唯一の音になった。
*
どうしても逃げ出したくて、
サンゴの広がるビーチへ行った。
*
サンゴとサンゴが、波に押されてぶつかり合うときの音がメロディーなら、
それに加わる波の音はオブリガート。
遠くからこちらに迫ってくる風の静かな音は、耳元にたどり着くとベースになる。
パーカッションはいらないくらい、それぞれのパートの息が揃っていて、
見えない場所に隠れている指揮者の存在を確かに感じた。
*
そして、コンスタントで変拍子なその音楽に身を任せたら、どこか凝り固まった筋肉が緩んでいくのを感じた。
*
ここに来るのに何時間かかったか、とか
総額いくらの旅をしているのか、とか
明日なにする、とか
昨日なにした、とか
誰と会う、とか
じぶんは何者か、とか
*
そういうもの、全てがどうでも良い空間がそこにはあった。
全部、受け止めてくれた。
全部受け止めてもらえるくらい、私は小さくて、
それが幸せだった。
初めて、波の音に泣かされそうになった。
でも泣かなかった。
*
マスカラとアイライナーの存在を忘れられなかったこの自分を、
このままを、愛せるようになろうと思う。
そしたら、ちょっと、成長するんじゃないかな。
[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)
>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する
105
4
2016/1/23