DABOのインスタグラム(fudatzkee) - 10月16日 13時26分

いつだって教師は僕の敵だった 彼らはいつだって僕を劣等生として扱ってクラスのみんなの前で罵倒し張り飛ばした 僕の性格のねじれは学校生活の中でゆっくりと着実に育っていった 自分はダメな人間なんだと思わされる装置 それが僕にとっての学校だった 心底教師が嫌いだった でもそんな落ちこぼれの僕にもたった二人心に残る先生がいた (教師と先生は僕の中でニュアンスが違う) 中1の担任森山先生 そして高校の担任関村先生だ

いつもニコニコした愛嬌の塊みたいな太っちょの森山先生(女性です)は授業中ノートに描いた目や鼻や口をハサミで切り抜いてセロテープで顔に貼ってクラスメートの笑いを取っていた不真面目な僕をあろうことか家庭訪問で褒め讃えた 大介君は凄い感性を持っています！先生にそう言われたと母は興奮気味に帰宅した僕に話した そんな先生は今までいなかった 僕は森山先生が大好きになった クラス替えによりたった一年しかお世話になれなかったけど僕の薄暗い人生に多大な影響を与えたお日様のようなひとだった (先生が僕たちクラス全員に魂で語りかけた「おいしいケーキ」というスピーチは検索してくれれば今も僕のアメブロに辿り着くので興味があれば是非)

もう一人の関村先生との出会いは一年遅れの高校入試で受けた面接だった 僕の経歴をニコニコ楽しそうに面白がってくれたおじさん もし受かったらこの人が担任だといいなぁ そんな僕の思いが引き寄せを生んだのかどうか まんまと関村先生は僕の担任になった 高2の終わりに単位が足りず留年もできないとのことで退学になった僕の高校生活は丸2年間 その間タバコで停学が2回 停学の時も退学の時もいつでも先生は僕を擁護した (僕をつまみ出そうとするのは常に他の教師だった) 退学の時など僕に単位を与えなかった教師に顔を真っ赤にして抗議してくれた 最後に先生は悲しそうに ごめん芦田、かばい切れなかったよと僕に言った 先生が謝ることじゃないよ、ごめんね俺辞めるよ そう言って僕は高校をあとにした

先生は徹底的に弱者に優しかった 落ちこぼれの僕をめちゃくちゃ気にかけてくれた 僕が通ったのは都内でも珍しいデザイン科だったので教師たちはみんな芸術家になり損ねた変わった人たちばかり その中でも圧倒的に個性的だった関村先生はジャズが好きだったのでヒップホップが好きな僕を同じブラックミュージックの愛好家として接してくれたしストリートファッションが好きな僕に当時スニーカー界のご意見番としてしょっちゅうファッション誌に顔を出していたご自身の長男のことを自慢げに語ってくれた 実際その頃その手の雑誌で彼が出ていない号はなかったほど そんな先生の長男が東京のストリートシーンで僕と知り合うのは時間の問題だった

共通の知人友人だらけだった僕らはすぐさま仲良くなったし先生が今朝亡くなったことを知らせてくれたのも彼だった 心構えはできていたが 思いのほか早かったね 先生さ あんたホント無茶苦茶だったね あの修学旅行は伝説だよ 夕食後部屋の鍵閉めて内風呂でタバコ吸ってた俺たちのドアをガンガン叩いてさ コラ〜！お前らがなにやってるかわかってるぞ〜！隠れて吸ってんじゃねぇ〜！コソコソするくらいなら俺の前で吸え〜！お前ら全員湯呑み持って集まれ〜！ってクラス全員一つの大部屋に集めてさ みんなが持ち寄った湯呑みにポン酒を注ぐんだよ タバコも好きに吸え〜！ってさ クラスみんなでポン酒呑んでタバコ吸ってさ 次の日みんな二日酔いだよ あんたサイコーだな そんな教師こんなコンプラ時代に今から出るわけもない 大事な大事な宝物のような思い出 今でも昨日のことのように思い出すよ

先生 僕は先生が大好きです あなたは自分が思ってるよりはるかにでっかいものを生徒に残してる 僕の先生は森山先生と関村先生だけ 僕を邪魔者扱いしなかったのは 落ちこぼれ扱いしなかったのはあなたたちだけ 僕に手を差し伸べてくれた教師は生涯あなたたちだけでした 森山先生は元気なのかな 会いたいな 関村先生は容態悪くなった時にはもう家族以外面会できなかった 悔やまれるな 教え子だったこち亀の秋山先生や北斗の拳の原先生と並べてラッパーの僕を自慢してくれた 教師が僕を自慢の教え子と呼ぶなんて僕の人生であったことがなかった 世の中捨てたもんじゃねえ こういう大人もいる そう思わせてくれた そして親になった今僕はあなた方のようになりたいんだ

あなた方のように子どもに接したい みんなと同じことができない子どもを絶対蔑ろにしない 光るところを見つける 褒めて伸ばす きちんと面白がる 向かい合って理解しようとする 個性を否定してポンコツのレッテルを貼るような教育がこの国の歪んだ社会を作ってるんだ 落ちこぼれの子どもたちよ 君はかつての僕だ 君を否定する大人ばかりじゃない 君の話を聞かせて欲しい 丸まったその背中を抱きしめたい だって僕は君だから 愛が足りない世の中だ でも人生の中でたった二人でも僕には先生と呼べるひとがいた 僕は君の先生になりたい 真っ暗な洞窟で一人で泣いてる君の光になりたい そんな大人もいるんだぜ 本当にいたんだ その愛を僕は繋ぐ そのバトンを君に渡すよ

関村先生安らかに 大好きです ありがとうございました🙏

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