草刈民代のインスタグラム(tamiyo_kusakari_official) - 7月30日 14時52分
富山オーバードホール中劇場の公演、無事に終わりました!
日本ではなかなか上演する機会がない演目ばかりが並んでいるプログラムなので、13:00, 17:00の回ともにお客様に大変喜んでいただき、大盛り上がりの公演となりました。
オーバードホールのスタッフの方の中に「日本人ダンサーの実力の高さに驚いた」とおっしゃっている方がいらしたのですが、私としてはそのコメントはとても嬉しいものでした。
今回、4作品の衣装を担当してくださった丸山敬太さんも「プティの作品は深い」とおっしゃってくださいました。
ローラン・プティ、セルジュ・リファール、ともに戦後のバレエの流れに大きな影響を与えた方々。
今回出演してくださっているダンサーたちは、今の時代のコレオグラファーの作品を多く踊っているわけですが、プティやリファールの芸術性に触れることで、それぞれが本質的な発見をしていることが良くわかります。
まず、振付指導に来てくれたルイジ・ボニーノさんに感謝です。
ルイジはローラン・プティの芸術性を深く理解している人。今回ルイジのリハーサルを見ていて、ルイジが要求するのは、作品の理解だけではなく、踊ったり、演技をすることの根幹に繋がることなのだと再確認しました。
ルイジのリハーサルが始まった当初、彼はあるダンサーに「僕は、男にも女にもなれる。要求されれば椅子にもテーブルにもなれるよ」と言ったことがあります。
これは「成り切る」ということに対しての彼流の説明です。
ダンサーに限らず、あらゆるジャンルのパフォーマーにとって「成り切る」ことは目指すところ。
しかし「成り切る」というのは、自分の思いだけで叶えられるものではありません。
「何をすべきか?」ということを的確に理解できなければ叶わないことであり、それには深い想像力と、それを理解するための知識も必要。
ダンサーとして円熟期にある彼らは、まさにそこを深め、日々踊りの精度を高めてきました。
私は6月下旬から、ルイジは7月20日からダンサーの方々と稽古をしてきましたが、昨日の公演を経て、明日はその集大成をお見せする日です。
中村恩恵作品の加冶屋百合子さんも江部直哉さんも、素敵なデュエットを披露します。百合子さんは最も経験のあるバレリーナとして、みんなを引っ張っていってくれています。
みんなが刺激しあって、とても良い稽古ができました。
明日の公演、どうぞお楽しみに!どうしようか迷っている人もぜひぜひ観てください!
By 草刈民代
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2023/7/30