佐渡裕のインスタグラム(yutakasado_official) - 6月25日 08時31分

訃報です

グラフェネックのガラコンサート最終日の朝、舞台監督の小栗さんからのLINEで、演出家の栗山昌良先生がお亡くなりになったのを知りました。

僕が19歳の時、オペラの仕事に副指揮者として参加することになったのですが、一番最初に仕事をさせてもらったのが栗山先生でした。オペラの経験が全くなかった僕でしたが、なぜか先生は僕を気に入ってくださり、いや、随分と厳しく怒られもしましたが、先生との仕事の経験が今の僕を作ってくださったとはっきり言えます。　

長年日本のオペラ界を引っ張って来られた先生は、既に大巨匠でしたし、歌手に対しての欲求も物凄く厳しく、その厳しさに歌手達も泣いてしまって稽古が中断する場面を何度も見ました。けれど本当に作品の本質を見続ける素晴らしい舞台の数々でしたし、特にプッチーニの蝶々夫人に関しては、僕がヨーロッパに渡り様々な名門歌劇場の演出を見たり指揮したりしても、栗山演出にかなうものはなく、世界一の舞台だったと確信しています！

1989年にブザンソン国際指揮者コンクールに優勝し、長年副指揮者としてお世話になった関西二期会の公演で本指揮者として指揮台に立ったのは、もちろん栗山昌良先生演出の蝶々夫人。そして兵庫県立芸術文化センターの夏のプロデュースオペラの最初の作品に選んだのも栗山昌良先生演出の蝶々夫人でした。

実は芸文センターの20周年となる2025年にもう一度栗山演出で蝶々さんをやろうと考えていましたが、97歳というお歳を考え、1年繰り上げて2024年に取り上げることにしていたのです。先生はいなくなっちゃったけれど、僕にはしっかりと先生のオペラへの愛と情熱が刻み込まれています。先生お疲れ様でした。先生にたくさん怒られたこと、ちょっとだけ褒められたことを、しっかりと心に刻んで、少しでも精進していきます。本当に本当にたくさんのご指導ありがとうございました。
どうぞ安らかにお休みください。合掌…

#栗山昌良#MasayoshiKuriyama#ご冥福をお祈りします#RIP
@hpac_opera #兵庫県立芸術文化センター#HyogoPerformingArtsCenter

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