なだぎ武のインスタグラム(nadagigigi) - 5月14日 23時57分


母の日

先日、母が亡くなりました。
家族葬で、通夜も葬儀も終えました。
母はステージ4の大腸癌でした。
大腸癌と言われてから、手術をいくつか経験し、抗がん剤治療を受け、癌とずっと戦っていました。
そこから6年くらいになると思います…
最後は腹水の症状が出、膨れ上がった体に苦しみ、疲れ、水も抜いてもらえないまま、静かに部屋で一人息を引き取っていました。
その日昼過ぎにメールをし、その数時間後、電話が掛かってきたけど映画を観るために着席していたのもあり、予告も始まっていたので、気づいてはいたが改めて観終わってから折り返えそうと、着信を切ってしまった。
映画を観終わり、帰宅して改めて連絡するが繋がらず、弟にLINEをするも既読にならず。
そのちょっとしてから父から電話。
『おかんが逝ってもうたわ…』
『え!?』
意味がわからなかった、、、
『え?なんで!?さっき電話くれてたのに、、え??、、あれが…もしかして最後の連絡になったの!?なんで、、なんで出やんかったんや、、』
一気に後悔と悔しさが押し寄せ、動揺が止まらなくなった。
『とにかく今から帰る!、、』と、父に伝えて急いで家を出た。
信号待ちをしていたタクシーに走って乗り込み東京駅へ。
その間動悸は止まらず、電話に出なかった後悔と悔しさで涙が溢れ出てきた…
新幹線の車内では呆然と、ただただ後悔の気持ちでどうしようもなく涙が出続けた。
実家へ着き、母の顔を2ヶ月ぶりくらいに見た。
顔や身体に黄疸が現れてて真っ黄色くなってた、、
腹水で足は膨れ上がってて、膝も曲げれず移動も寝返りもままならない状態。
『この体でよく今まで頑張ったな、、しんどかったな…辛かったな…眠る事も出来んかったやろ、、結局ろくな親孝行も出来ずにごめんなさい、、』

母はこれまでに抗がん剤治療での副作用で、髪が抜けたり顔が浮腫んだり、時には口の中が口内炎だらけで真っ赤っ赤になる事もあった。
手術を何回か繰り返しては抗がん剤治療。
若く無い体で辛かったし苦しかった日々の連続やったと思います。
そんな中、結婚の事や孫の誕生を伝えた時は泣いて喜んでくれた。
たった一度だけしか叶わなかったですが、少しの時間、孫の顔を直接の見せてあげれた事は、良かったと思える出来事の一つでした。
それと10年くらい前に書いた『サナギ』という私の自伝本。
この本を読んでくれた人から、よく『この本を読んだら、なだぎさんのお母さんに会いたくなる…』と言われた事が、息子として物凄く嬉しかった。

今思えばLINEでビデオ通話して孫の顔をもっと見せてあげる事が出来たな…とか、もっと実家に帰ってあげる事が出来たな…とか、後々になって気づく事だらけで、自分が嫌になります、、

まだまだ孫の成長を見てほしかった矢先…
それまでカテーテル治療の為、遠い病院まで通ってたんですが、もう70後半の体にはその距離はきつかったと思います。
そんな中で更に腹水の症状。
もう肝臓の機能がほとんどなくなり、黄疸の症状も出始める。
もう末期で余命幾許も無いと分かってるなら、家族として、腹水を抜いて少しでも楽な身体にしてあげたかった…
それって叶わない事やったんやろか…と今だに思ったりもします。
でも母の最後の顔は、今にも起きてきそうな、それは寝顔のように安らかな顔でした。
これでやっとゆっくり、ぐっすり寝れる事ができるのかな…と。
出来る事ならば、実家でゆっくりと孫の顔をまた見せてあげたかった。

こんなただの個人的な事も書いていいのかな…なんて事も思いましたけど、母へのこの想いを残しておこうと、書くことにしました。
今現在病気や治療で苦しんでる方のお知り合いや親族、ご家族の方、大変な事も多いと思いますが、常に寄り添っていてあげてください。
側に居てくれる存在や言葉だけでも大きなエネルギーになると思います。
明日、何時間先、何分先、何がどうなるかわかりません…
後悔は取り戻せない…自分が今まさにそうな様に。
後々自分の心に落とし込めるよう、後悔と思わない瞬間瞬間を行動や言葉、態度で示してあげて下さい。

母の日に…
おかん…痛みや腹水や癌の辛さも何もない天国で、笑っていてくれると嬉しいです。
産んでくれてありがとうね…

でも…おかん…起きてや、、、


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2023/5/14

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