宮下舞花のインスタグラム(maikamaimaika) - 7月17日 00時45分


ミュージカル『ひめゆり』千穐楽から数日経って、まだ胸がいっぱいだけれどようやく…。
長くなってしまうと思うけどもしよかったらお付き合い願います。
無事月組星組、1人も欠けることなく全公演終えることができました。現在も落ち着くことのない世の中であるのに…沢山のファンの皆様、関係者の皆様にご来場いただき感謝しております。そして何よりコロナ対策を徹底し、最後まで作品の上演と私たちを守ってくださったミュージカル座さんには頭が上がりません。本当にありがとうございました。

ミュージカル『ひめゆり』は実際に起きた出来事に基づいて沢山の悲劇(…と一括りにするのもなんだか違うとは思うのですが)を描いている作品。オーディションを受けた時から、当たり前ですが生半可な気持ちで取り組んではいけない!と覚悟して挑みました。
辛い経験を抱え当時のこと、想いを伝えてくださった方々のお陰で沖縄戦、ひめゆり隊のことを学び『ふみ』として伝えることできました。

私が一緒に生きさせてもらった『ふみ』。私が想うふみは、自分の意思や芯はもちろんあるけれどそんなに強くなくて。お友達や頼れる人が居る場所では甘えたかったり、ちょっぴり抜けてたり、泣き虫だったり…女の子って言葉が良く似合う子。でもとっても責任感や、一生懸命な情熱があって…でもその湧き上がるパワーは守るべき存在妹の『ルリ』が居たから得られた力なのではないかな。
みんなとはぐれてしまった場面では、妹が『帰りたい 家に』と言ってくれました。大切な人たちと離れ離れになり、どっちへ行ったらいいかもわからない。不安で不安で弱気な心が見え隠れしてる中で、妹のたった一言で運命が変わったのです。そして妹の『母さんがいるわ』で冒頭で誓った母との約束を強く思い出すのです。
みんなと目指した南へ行く選択もあったけれどお母さんが待ってると信じて、ルリと2人きりで先の見えない道を見つめながら…家に帰ることを選びました。
もしかしたらどこかで違う道を選んでしまってたかもしれない。
ふみちゃんとして生きてる中でもう帰れないかも、死を選んだほうが楽かも、そう思ってしまった日もあったけれど。
どんな時も大切な妹『ルリ』が居たから、守りたいと強く思ったから生きて帰ることを選べました。お稽古当時より本番を終えた今、そう強く思います。

今こうして私なりにふみちゃんのことを沢山考え、知り、語ることが出来ていますが…お稽古中は沢山悩みました。『ふみ』のことも『ひめゆり』全体のことも。
でもそんな時、月組の皆さんと学徒会議(先生方含めても)や、ルリと沢山話し練習して、ようやくふみちゃんと向き合うことができ、私の中のふみちゃんを見つけることができました。

特に想い出に残っているお稽古は、みんなで輪になって『生きている』を歌った日のこと。芽生えた感情達を、みんなそれぞれに感じて涙する人もいれば噛み締める人もいて…一生忘れられない経験です。
ちよちゃんとお別れのシーンもコロナ対策をとりながら心が通うように、沢山相談しました。ふみが『ええ、覚えているわ』とちよに答える時、どうしても気持ちがうまく整理できなくて悩んでいた日。先輩から素敵なアドバイスをいただいて、みるみるふみちゃんとして感覚が変わったこと。

そうして日々出演者、携わってくださった全ての皆さんと一緒に『ひめゆり』を作る仲間にさせてもらえたから、お届けできた私のふみになれたのでした。みんなが居なきゃ『ふみちゃん』になることはできなかったと…本当に思います。感謝してもしきれないです。

お稽古〜本番期間最後まで、どんどん自分の中の新しいふみちゃんに出逢っていって好きになりました。『喜久嶺ふみ』という存在に沢山助けられ、一緒に成長させてもらいました。もっとふみちゃんと一緒に生きたかった。

戦争は決して繰り返してはいけない。学んできたようでやはりどこか目を背けて生きてきたことを実感したこの2ヶ月間。少しでも表現者として、今を生きる皆様に『生きている』ことの素晴らしさをお届けできていたら嬉しく思います。

夢であったミュージカルの世界に第一歩踏み出せたこと、そしてその場所がこの素敵すぎる作品『ひめゆり』だったこと。本当に私は幸せものでした。
沢山の皆様に舞花のふみちゃんが大好きって言ってもらえて、本当に励まされ自信になりました。本番中は自信と感謝の気持ちを持ってやり切らせてもらいました。(そうでなきゃ皆さんに、ふみちゃんに失礼だもの。)

この宝物な経験を大切な抱きしめてこれから先もミュージカルの世界を生きたいです。
日々感じたのは皆さんどこまでも愛情深く勉強熱心だということ。その姿に背中を押されて私ももっとこの先頑張れる!と思えました。まだまだ駆け出しな私ではありますが、どうか見守っていただけたら幸いです。

素晴らしい出逢いに…そして25年もの間、沢山の人が愛を持って向き合ってきたからこそ命のバトンが繋がり私が出演できる2021年夏の『ひめゆり』に辿り着いたこと。感謝です。
願いが叶うならばいつかまた『ひめゆり』の世界に入りたいです。新しい夢がまた一つできました。
生きていて、生きられてよかった
喜久嶺ふみちゃんに出逢えてよかった。

本当にありがとうございました。

喜久嶺ふみ/宮下舞花


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2021/7/17

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