偕成社のインスタグラム(kaiseisha_pr) - 11月16日 12時01分
清七の中で、つぎからつぎへとおぎんとの日々がよみがえる。
「おこんが届けてくれた草冠を見たとたん、わたしはすぐにわかりました。
けれど、化けたご本人が、化けていることを思いださないことには、もとのお姿にはもどることができません。この庭を見て、思いだしてくれたのですね。ここにおつれしたかいがありました。」
「わたしは、いったいどのくらい……。」
「とても……とても、なごうございました……でも、もう、いいのです……。」
清七は、おぎんを抱きよせた。
「すまなかった……。」
清七は、泣きじゃくるおぎんの手から草冠をとると、しずかに強く言った。
「もうどこへも行かぬ。どこへも行かぬぞ。」
そして、うつむくおぎんの頭に、その草冠をそっとのせた。
#日小見不思議草紙 #第2話 #草冠の花嫁 #藤重ヒカル #飯野和好 #ファンタジー #江戸時代 #言い伝え #デビュー作 #日本児童文学者協会新人賞 #ホワイトレイブンズ #偕成社 #kaiseisha #公式アカウント #絵本 #児童書 #読み物 #児童文学
[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)
>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する
220
0
2020/11/16