田中知之のインスタグラム(tomoyukitanaka) - 5月15日 15時03分


最近縁あって千原徹也君と、色んな場面で仕事をさせてもらっている。でも、彼と仕事する時、私は毎回尋常じゃない程の緊急感を持って臨んでいる。私の方が随分と歳も上だし、彼は基本気遣いの人だから、私にもいつもとても優しい。なのに、毎度の打ち合わせの際、あの飄々とした口調で言葉少なく、でも的確に注文を述べ「あとは田中さんにお任せしますね」と言われたら、私はその言葉の奥に身震いするような凄みを感じ取ることになる。そんな体験はないのだけれど、ヤクザの大親分に丁寧な口調で何かをお願いされたらきっとこんな気持ちになるのだろう。これはちゃんとした結果を残さないととんでもないことになるぞ、と。もちろんたとえ私がヘマを犯したとしても、ドラム缶に詰められて東京湾の底に沈められるようなことは決してないだろうが。 そんな彼が長年の夢だったという映画を、しかも監督という立場で作り始める話を本人から聞き、僭越ながらお手伝いできることあれば、と願い出た。

彼は市川崑の映画を観て以来、映画監督になるのが長年の夢だったそうだが、私もお恥ずかしながら、エンニオ・モリコーネの音楽を聴いて以来、一から映画音楽を手がけるのが長年の夢だった。

今回、この先発表される短編と長編映画の更に予告となる3分間の映像に音楽を付けることになった。打ち合わせで千原君は「BGMではなく、映像と同列になる音楽をお願いします」、そして「あとは田中さんにお任せします」と。私がいつも以上に震え上がったのは言うまでもない。

そして出来上がったのがこの映像。実は音楽を作る前に映像の編集は終わっていた。CM音楽ではたまにある。それでもせいぜい15秒か30秒の世界。こちらは3分。とにかく音楽に合わせることも先ずは考えず、当てずっぽうでテンポを決めて曲を仕上げ、恐るおそる映像と同時にプレイバックしてみた。すると、まるで僕の音楽に合わせて安達祐実さんがセリフを唱えたり、演技をされたり、千原君が緻密な編集をしてくれたかのようなシンクロ具合。こんな奇跡ってあるんだなぁ…。 運までも味方に付けた千原監督の映画と、私のサウンドトラックに今後どうぞご期待くだい。

あ、映画が完成したあかつきにはこの文章をパンフレットに転載してください。

@thechihara
@安達祐実


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2020/5/15

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