Takahiroのインスタグラム(takahirokwan) - 12月26日 20時36分


a continuation of ─

兎に角、救急隊時代は
自分の記憶から消したかった

誰にも知らない事を覚えていることは
苦しいものだし
誰にも相談出来ず、話したところで
理解されない、

孤独だ



理解されない現実なら
別に上部の綺麗事の正義なんかどうでもいい
欲望の道で楽しく好き放題欲望のままやったろうと芸能の道へ

役者を目指し仲間と集まり練習したり、飯を食ったり、夜の街バカ騒ぎしたり楽しかったが

楽しいと思えば思うほど
あの世界と今の時間が、同じ時間軸の現実に存在している事を知ってる自分は

その二つの存在する
世界の乖離が大きくなればなるほど
あの時の映像が脳裏に浮かんで
胸が痛くなり苦しくなり

仲間と一緒にいても皆と笑えなくなり
自分から徐々に距離を置くように
遠方の練習場に独りで回ることに

自分を責めたり、映像が浮かんだり、
こうした症状が消えることはなかった





そんな中、役者の舞台稽古中に
運命の言葉を投げられる

「お前の代わりなら、いくらでもいる」

それを言ってた奴が
現実も知らずに芸能という自分をカッコよく見てくれクソ甘ったれた稽古をしてる奴にそれを言われた事を機に

引退して10年目の節目に
体操をベースとした新たな開拓地を切り開く
日本では微塵も敵わない位突き抜けたオールマイティーアーティストを目指すことにした


ーー





とても綺麗だ とても眺めがいい─
ステージの上で人前で演技をするのは
気持ちのいいものだ─

だが
心の底からは笑えなかった


オレは分かっていた

こんな所にいても
誰も助けることなんか出来ない
何も変えられないことは分かっていた
現実がどれだけ理不尽に出来ているか
散々な程わかっていた

救急隊員でいれば
我慢さえしていれば人を救えていたが
存在すら見向きもされないが
芸能にいれば
観客から注目を得て最高の欲望を満たせるが
誰もなにも救えない



何故、私はここにいるのか

気が付いたら
腹が立って石を投げてた側から
今は石を投げられる側にいた

あの時と変わらない私が
舞台に立っている「わたし」を見て
卑しく醜い自分に見えてから
directorや衣装さんに事前に
お願いするようになった

「もし、可能であれば
メイクや被り物、仮面などで顔を隠したい」




自分が出来ることは
自分が見てきたもの、その力を声なき人の声を届けるため更に高みを目指す。
しかし、
上り詰めたここでは限界がある事が見えた。
だから、自分はとことん突き抜ける
他人に理解されなかろうと
嫌われようと誰に何を言われてもオレはとことん上にブチ抜いてやる




俺が見てきたあの世界は
ㅤㅤㅤㅤㅤ忘れたいけど、覚えておく

私の死生観を変えさせてくれた
私のカルテで亡くなった人たち
私が見てきた「あの世界」を
私の目の前で起こった悲しい出来事を

なかったことに、してはいけない─


経歴には載ることはないが
自分が堂々と立ち続けられたのは
技術や実積なんかじゃなく

オレが誰よりも世界で一番
血とクソと悔しさを味わって
人の「死」を最前線で食い止めてた
元救助隊のサーカスアーティストだからだ

ENDㅤ




ㅤ■自ら切り開く者 #TakahiroDestiny

※この話はノンフィクションです


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2019/12/26

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