奥浜レイラのインスタグラム(laylaokuhama) - 4月9日 21時25分


『ウトヤ島、7月22日』
絶句して震えがおきるくらい凄まじい作品でした。
当時、日本では深いところまでは報道されなかった気がしますが、これは2011年にノルウェーで起きた無差別テロ事件を描いた映画です。

まずオスロで8人が死亡した政府庁舎前での爆破テロ、その後オスロから40キロ離れたウトヤ島で銃の乱射事件が起き、合わせて77人が亡くなりました。
島では恒例のサマーキャンプが開かれていて、参加者はノルウェー労働党の青年部の若者たち。
そんな特に政治意識の高い若者たちを狙ったのは、彼らとは真逆の排他的な思想を持った30代の男性。単独犯でした。

ただ、この映画には犯人の姿ははっきりとは出てきません。
島中で銃を乱射する犯人から逃げる若者たちを捉える視点=1カメラワンカットで、事件発生から終息に要したのと同じ72分間で、事件の冷酷さ、恐怖心を映画の観客に"体験"させるのです。
その72分ワンカットの視点こそ、エリック・ポッペ監督が観客に感じてほしかったことに一番アプローチできる手法だったと、インタビューにはありました。
銃声が近くなって「犯人が近くにいるのではないか?」と感じた時にカメラ(つまり人間の目線)が少しそっちにふられるだけで、襲ってくる恐怖。
控えめに言っても、これまで観てきた中でも五本の指に入るほど恐ろしさを感じた映画でした。
怖いばかり言っていたら離れちゃう人もいるかもしれないけれど、この映画体験はなかなか出来ないものですので、これは映画館で観るべき作品だと断言します。

丁寧に事件の全貌をみせるというよりも、島にいて体験したかのような感覚になったからこそ、テロリズムへの恐怖と、暴力から生まれるものは何もないというテーマと徹底的に向き合うことができます。

そして、Netflixで同じ事件を基にした『7月22日』も配信されていますが、こちらはアプローチ方法が違って事件前の犯人のようすや、被害者のその後、裁判や明らかになる犯人の動機まで事件の全貌がわかります。
それも恐ろしい。なぜ恐ろしいかって、同じような発言を日本でも耳にするからです。海の向こうの他人事ではない。それは『ウトヤ島…』とは別の恐怖です。
(パンフを読んで頭を抱えたのは、犯行後に犯人が発表した声明文で、日本を理想的な国だと評価していること。最悪)

どちらから観ても大丈夫と個人的には思います。
私はウトヤ島の方から観ましたが。

ショッキングですが、これは現実に起きたこと。
そして犯人の思想に近いものは、残念ながら今も世界に蔓延しています。

ぜひ映画館でご覧ください。
これは目を背けてはいけない感情、映画だと思います。
#ウトヤ島7月22日


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2019/4/9

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