スタッフのコラム「同じ朝。同じ夜。繰り返す日常のなかに…」 ・ 朝6:30に目を覚まし、顔を洗って湯を沸かす。食パンをフライパンで焼くかたわら、週末に買っておいた果物を切り、ヨーグルトをのせる。朝のニュースを見ながらそれを食べ、身支度をしたら7:30きっかりに家を出る。 ・ 平日は、毎日がこの繰り返し。 ・ なんの狂いもなく淡々と繰り返すこの日々に、ふと退屈を感じる瞬間がないわけではない。毎朝「さて、今日は何をしようかな」と暮らすことに憧れもある。 ・ それでも、この平凡な毎日が「愛おしい」と再確認できる映画に出合いました。 ・ クラシコムのスタッフや友人たちからひっそりと、熱く、おすすめされた映画『パターソン』は『コーヒー&シガレッツ』で知られるジム・ジャームッシュ監督の新作。 ・ 主人公は、判で押したような規則正しい毎日を過ごす男性。携帯電話はもたず、ちょっと不思議でハッピーな妻(彼女がまたとびきり可愛い)と愛犬のブルドッグとともに暮らし、日課のように詩を書きためる。 ・ なんら事件も起きず、心地よい眠気を誘う物語で印象的だったのは、詩人でもある主人公の「日常を観察する目」でした。 ・ 人生の美しさや愛おしい瞬間は、変哲ない日常の中にある。そんなささやかな発見が、余韻としてじんわり胸に響きました。 ・ その日の夕方。映画を観終わって最寄り駅に着くと、はっぴ姿の大人や子どもで街がにぎわっていました。 ・ この日は地元のお祭りがあったよう。 ・ ちょうど休憩時間だったのか、商店街の店が彼らに料理をもてなしていて、わいわい楽しげに食事をとっているところでした。 なんだかアウェーな感じで道を進んだところ……目撃してしまったんです。 ・ はっぴ姿であふれる商店街の端っこで、電柱の裏にひっそりと立ち、休憩する警備員さんの姿。 ・ 誰かがお裾分けしたのでしょう、皆と同じ紙皿を片手に、嬉しそうに炊き込みご飯を食べる警備のおじさんが、ひとり目を細めながら空を仰いだその瞬間。 ・ まるで映画のワンシーンみたいに完璧な “しあわせの笑み” が、このリアルな日常に転がっていたのでした。 ・ ああ、そのことに気付けてよかった。 ・ そう思ったら、なんだか泣けてきて、おかしいけれど本当に涙がこぼれました。 ・ 『パターソン』を観ていなければ、あの控えめな警備員さんの姿を、私は気付けなかったかもしれません。 ・ 携帯を見たり、そうでなくても、あれこれ考え事をして周囲の出来事なんて目に入らない。すれちがう人の顔すらほとんど見ない。それがいつもの私。 ・ でも、少しでも主人公パターソンの目を持って日常を観察できたなら…… 胸を打つような感動の瞬間は、いくらでもそのへんに転がっているのかも。 ・ 信号待ちのあいだ子どもの写真をながめるサラリーマン。日向ぼっこするネコ。灯りがもれる住宅街にただよう夕飯の香り…… ・ 平凡な毎日にある、愛おしい瞬間に気付けるくらいは。そのくらいのゆとりは、いつでも持っていたいなと思います。 ・ (テキスト:スタッフ二本柳) ・ #北欧暮らしの道具店

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北欧、暮らしの道具店のインスタグラム(hokuoh_kurashi) - 10月13日 18時06分


スタッフのコラム「同じ朝。同じ夜。繰り返す日常のなかに…」

朝6:30に目を覚まし、顔を洗って湯を沸かす。食パンをフライパンで焼くかたわら、週末に買っておいた果物を切り、ヨーグルトをのせる。朝のニュースを見ながらそれを食べ、身支度をしたら7:30きっかりに家を出る。

平日は、毎日がこの繰り返し。

なんの狂いもなく淡々と繰り返すこの日々に、ふと退屈を感じる瞬間がないわけではない。毎朝「さて、今日は何をしようかな」と暮らすことに憧れもある。

それでも、この平凡な毎日が「愛おしい」と再確認できる映画に出合いました。

クラシコムのスタッフや友人たちからひっそりと、熱く、おすすめされた映画『パターソン』は『コーヒー&シガレッツ』で知られるジム・ジャームッシュ監督の新作。

主人公は、判で押したような規則正しい毎日を過ごす男性。携帯電話はもたず、ちょっと不思議でハッピーな妻(彼女がまたとびきり可愛い)と愛犬のブルドッグとともに暮らし、日課のように詩を書きためる。

なんら事件も起きず、心地よい眠気を誘う物語で印象的だったのは、詩人でもある主人公の「日常を観察する目」でした。

人生の美しさや愛おしい瞬間は、変哲ない日常の中にある。そんなささやかな発見が、余韻としてじんわり胸に響きました。

その日の夕方。映画を観終わって最寄り駅に着くと、はっぴ姿の大人や子どもで街がにぎわっていました。

この日は地元のお祭りがあったよう。

ちょうど休憩時間だったのか、商店街の店が彼らに料理をもてなしていて、わいわい楽しげに食事をとっているところでした。

なんだかアウェーな感じで道を進んだところ……目撃してしまったんです。

はっぴ姿であふれる商店街の端っこで、電柱の裏にひっそりと立ち、休憩する警備員さんの姿。

誰かがお裾分けしたのでしょう、皆と同じ紙皿を片手に、嬉しそうに炊き込みご飯を食べる警備のおじさんが、ひとり目を細めながら空を仰いだその瞬間。

まるで映画のワンシーンみたいに完璧な “しあわせの笑み” が、このリアルな日常に転がっていたのでした。

ああ、そのことに気付けてよかった。

そう思ったら、なんだか泣けてきて、おかしいけれど本当に涙がこぼれました。

『パターソン』を観ていなければ、あの控えめな警備員さんの姿を、私は気付けなかったかもしれません。

携帯を見たり、そうでなくても、あれこれ考え事をして周囲の出来事なんて目に入らない。すれちがう人の顔すらほとんど見ない。それがいつもの私。

でも、少しでも主人公パターソンの目を持って日常を観察できたなら…… 胸を打つような感動の瞬間は、いくらでもそのへんに転がっているのかも。

信号待ちのあいだ子どもの写真をながめるサラリーマン。日向ぼっこするネコ。灯りがもれる住宅街にただよう夕飯の香り……

平凡な毎日にある、愛おしい瞬間に気付けるくらいは。そのくらいのゆとりは、いつでも持っていたいなと思います。

(テキスト:スタッフ二本柳)

#北欧暮らしの道具店


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2017/10/13

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