シトウレイのインスタグラム(reishito) - 2月4日 01時36分

「夫のちんぽが入らない」こだま：読了。
読んでほしい、これは絶対に読んでほしい(タイトルに対するアレな気持ちはちょっと横に置いといてもらい、、、)。 こんなにページをぐいぐい手繰らせる吸引力がある文学作品て絶対他にはない。胸がヒリヒリする、肌がざわつく純文学。

普通に誰もが当たり前に出来る事が自分は出来ない、自分が「規格外」であるという事。
例えそれが何でもない些細な事であれ、その引け目（＝コンプレックス）は重根（しこね）になって、潜在的な自己評価はじわじわと下がってしまう。自分で自分を追い込んでしまう。
なんでもない事というのは裏返せば、誰にも話しにくいことだったりする。言えたらいいのだけど。でも言えない。だってあまりに相談するには足りない「普通」過ぎて。
そんな「普通」が「普通」に出来ないことのしんどさを軽妙洒脱に、鋭く描き出している。

筆者（であり主人公）の描写センスがまたいい具合に腐女子的描写なので、キャッチーで読みやすい「文芸」に限りなく寄っているんだけど、私の読書経験の中では、これは人間の本質を描き切った「文学」作品だと思う。うん。私の中では漱石（夏目）の「こころ」に匹敵するくらいにこれは「文学」でした。

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