佐藤嘉洋のインスタグラム(yoshihirosato1981) - 10月14日 13時06分

昨年2連続KO負けを喫してから「進むべきか、ここで止まるべきか」の狭間で迷いに迷っていたころ、このラーメンを食べた。
日常からの節制と長年の減量によって、内臓に負担がかかり、背中に関連痛といわれる激痛が晩年は毎試合走り始めていた。
そして、選手として弱くなった自分への精神的ショックにより、私の胃はボロボロだったに違いない。

スープを一口すすった。
根菜系を中心とするダシが、やさしく、包み込むように、胃ばかりでなく、私の心まで染み渡る。

麺を一口食べた。
先に飲んだスープと麺のバランスの中に、偶然入ったネギによるシャキシャキとした感触。
そして計算し尽くされた茹で加減に改めて感動し、涙が一筋、はらりと頬を伝ったのである。

目の前にはまだまだラーメンが残っている。
いつもはスープまで飲み干せるのに、この日はできなかった。
そして誰にも聞こえないか細い声で、独り言がつい口を出た。 「俺ももう終わりだ…」 一杯のラーメンが「もういいぞ」と私の肩を叩いてくれたのである。
そんな引退を決定付けたラーメンを食べてきました。
今日はもちろん、スープまで全飲み。

私は元気にやっています。
あなたもいずれ元気になるでしょう。

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