鈴木一真のインスタグラム(_kazumasuzuki_) - 8月24日 08時01分

本日発売‼︎ 集英社UOMO10月号

連載コラム「LAで暮らす方法。」
いつでもどこでもBBQ !! の巻 僕がアメリカンバーベキューに初めて触れたのは約25年ほど前、モデル時代のパリでした。携帯電話もインターネットもない時代、パリコレへ挑戦するため地図と日仏辞典を手に、初めて長期の海外生活をスタートさせました。その最中「湾岸戦争」が勃発。テロを警戒してパリの街中が厳戒態勢に突入しました。あの時の嫌なざわざわ感は今でも忘れられません。その影響により、オーディション結果を待っていたコレクションも次々と中止になり帰国を余儀なくされました。そんな神経がすり減っていくような緊張感で疲れ果てていた時、僕が心の拠り所にしていた想い出のベンチがありました。パリの中心サン・ルイ島のセーヌ川沿いに位置し、ライトアップされたノートルダム大聖堂を拝みながら川のせせらぎを感じる僕のパワースポット。夜中のパリの寒空の下、こんなところにいるのは僕くらいなものだろうと一人で黄昏れるのに打ってつけの僕の秘密のサンクチュアリでした。 　その後、気を取り直し次の春夏シーズンに再び訪れた際にもまた、神聖な気持ちであのベンチに向かったところ、なんとそこには短パンにビーサン姿のアメリカ人のグループがハイテンションでバーベキュー（以下BBQ）！『この野郎! オレの神聖なベンチでー!!』と心の中で雄叫びを上げざるを得ませんでした。そう! とにもかくにもアメリカ人はBBQ。何を競うのか？全米で年間３００以上のBBQコンテストも開催されているほど何かにつけてBBQ！お祝い事にBBQ！来客でBBQ！独立記念日にはご近所さんから「BBQはどこでやるの？」と聞かれてしまうほど“ご挨拶”レベルの欠かせないイベントBBQ！！日本の料理で例えるとしたら友人や家族と楽しむ『鍋料理』や『手巻き寿司』？大阪人にとっての「お好み焼き」や「たこ焼」か？ 　そして、BBQは男の仕事！鍋を取り仕切る『鍋奉行』さながら、お父さんがここぞとばかりに張り切って肉を焼きます。一軒家の庭の一角には必ずと言っていいほど巨大なBBQグリル。アパートのプールサイドにもだいたいBBQコーナーがあります。近所の公園にも無数のBBQスペースがあって、休日は隙間無く賑わっています。計画を立て始め、最後はグリルにこびりついたコゲをこそげ落とすところまで談笑しながら楽しむ、その全ての過程を家族や友人達とグリルを囲んで時間を共有する。小さい時から幾度となく様々なBBQを経験し、自分の家の味や過ごし方を体感しながら血となり肉となり脈々とその身体に受け継いでいくのだなと思いました。BBQは料理というよりも、もはや文化なんだと感じる今日この頃です。アメリカ人にとってBBQをするという行為はどんな場所に行っても、たとえパリに行っても心の拠り所を簡単に生み出せる装置なのかもしれません＊

詳しくはUOMO10月号で！！

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