【くもり硝子の向こうには】暖かな１日でした。ウールのコート片手に白シャツ一枚で取材先を回ったのですが、となると自ずと香水も衣替えしたくなる。戸棚の奥からひっぱり出したのが、この３本です。右から、ジルサンダーの「ジル」。オリエンタルウッディです。ミントとヴェチバーが際立つ、メンズライクなかっこいいクセのある香調で、90年代後半のジルのミニマルで凛としたスタイルに馴染む、心地よい緊張感が好きでした。30代のおとなに憧れるときの背伸びした気持ちそのものが、この香水だったのを思い出します。中央はクロエの「イノセンス」。グリーンが際立つフローラルノートで、名前のとおり清純さが弾けるみずみずしい香りです。この香水が誕生したとき、クロエのデザイナーはカールでしたが、強い服を良い意味で中和するアクアティックなフレグランスでした。ほとんど無くなりそうになっている左端は、タン・ジュディチェリの「アンナム」。ハノイ生まれのタンさんのスタイルを汲み取ってだと思うのですが、この香り、炊きたての甘いお米の匂いがするんですよ。香調はウッディムスクで、時間が経つうちにパウダリーなまろやかなミルクの香りとなり、肌に溶け込んでいく。そういえば先日、赤ちゃんを抱っこしたとき鼻腔をくすぐったのはこんな匂いでした。忘れていた母性が脊髄反応するんでしょうか、2000年の発売直後は夢中になって１本目はあっという間にコンプリート、２本目に購入した最後の残りがこのボトルです。３本とも現在は生産中止のようです。15年以上も前の香水ですから仕方ないのかもしれませんが、古い香水をひっぱりだすと、記憶と嗅覚が密接なだけにワンプッシュするだけで少しセンチメンタルな気持ちになります。３月の陽光に映えるすりガラスの３つのマイ・グッド・オールド・センツ、春のスタイリングに合わせてちびちび使っていくつもりです。（編集Ｇ） #SPURBeauty#fragrance#PERFUM #SPURfragrance #parfum #perfume #fragrance #scent#ChloeInnocence#NathalieLorson#Chloe#JilJilSander#JILSANDER#GillesRomey#AnnamTanGiudicelli#Annam#TanGiudicelli#SPUR編集G

spurmagazineさん(@spurmagazine)が投稿した動画 - 2016/03/16 19:18:40