大抜卓人のインスタグラム(takutoonuki) - 2月28日 17時37分
「トシロー!今日のライブはよかったよ」
見た感じ中学生な女の子が
鬼にタメ口で話していた。
石巻のライブハウス
ブルーレジスタンス。
ログハウスのような
木の温もりにあふれた楽屋に
あふれんばかりの関係者が。
みんなBRAHMANのTOSHI-LOWさんを
「トシロー!」と親しみを込めて呼ぶ。
年齢は様々で小学生から
その親と思われる大人まで。
まるで親戚家族の集まりだ。 「タクト、俺がよくMCで話す
漁師の男だよ」とTOSHI-LOW。
ガタイのいい男性は
包み込むような笑顔で
「はじめまして」と手を差し伸べてくれた。 「ここら辺の被害はどうだっのですか?」
「うーん、1m50はあったと思うな」
「大きな津波が...」
「息子が見つかったのがこの近くだから」
その次の言葉が見つからなかった。
2年前に細美武士さんを通じて
知り合ったお母さんにも再会した。
息子さんとお母さん(祖母)が
手をつないだ状態で
発見された話を今も覚えている。
あの時の話を
振り返りながら
お母さんの夢の話になった。 「私には夢なんてないんです。
ただ残されたこの命。
亡くなった子供の分
亡くなった母親のぶんも
笑って元気に過ごす。
ただそれだけなんです。
だからいかに今という時間を
楽しむか。先の未来じゃなく。
今を全力で生きることにしています」
そんな話をしていると
ソファーでずっとスマホを
いじっていた中学生の女の子が泣いていた。
異変に気付いた
TOSHI-LOWさんが声をかけると
お父さんは楽屋から出て欲しいと言う... さっきの漁師さんの
娘さんのようだ。
震災の話は怖くて誰にも話したことがない。
亡くなったお母さんやお兄ちゃんの事を思い出す。
「だけど...」
そこから彼女は堰を切ったように
兄との思い出、お母さんへの思いを
語り出した。 「お兄ちゃんとまたチャンネルの奪い合いで喧嘩したいな」
「最後にお母さんに言った言葉が『行ってきます』
だったけど、それだけでよかったのかなって
ずーっと考えてる」
20分ほど彼女は自分の言葉で
この5年とはじめて向き合っていた。
TOSHI-LOWさんは出演時間となり
ステージへ。
彼女は客席へと向かった。
夜の打ち上げ会場にて
漁師の男性と隣になった
楽屋での娘さんの話になったとき
喉を詰まらせながら
「何でもない日常がどれだけありがたいことか」
「日常って愛おしいんだよ」
「だがら毎日を精一杯生きることだな」
と呟いた。
打ち上げ会場を出て
玄関先でたむろしていると
さっきの中学生の女の子が
TOSHI-LOWさんに近づいて
こう言った。
「これまでトシローのMCは震災の事言うから
いつも耳をふさいで、聞きたくなかったんだけど
今日は聞けた。いいライブだったよ」
福島で出会った農場経営の73歳のおじ様も
そこに片道5時間かけてボランティアに来ていた
石巻市の女性も。
みんな口を揃えて
「今を後悔せず全力で生きる」と言う。
そこにはいつもTOSHI-LOWさんがいて
「トシローのお陰で変わった」と。
濃厚な取材だった。
泣きはらしたからか
変な感情が湧いて鬼に
「もう一杯行きましょうよ!」
と誘ってみた。 「ダメだよ。明日子供と遊ぶことになってんだよ。
じゃなきゃ...りょう(妻)ちゃんに怒られるよ」
6時間の道のり
マネージャーさんの運転で
東京へ戻っていった。
石巻の街を去る
後ろ姿があまりにもカッコよく...
悔しいので昨日
1番上機嫌だった鬼の写真を
載せておきます!
#NHK
#東北ライブハウス大作戦
#brahman
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2016/2/28