SPURのインスタグラム(spurmagazine) - 12月17日 12時31分

【せわしないときこそ、手に詩集を】
師走の忙しさもピークなのではないでしょうか。移動中の一分一秒も惜しく、電車でもバスでも携帯をかちゃかちゃいじる毎日。歩きながらも携帯。信号待ちでも携帯。オーバーヒートしたせいか、とうとう携帯が壊れてしまいました。修理中のつかの間、手持ち無沙汰になっている自分に気付いたんです。周りを見渡せば、自分以外の乗客全員が携帯を凝視している地下鉄車内。私の人生、携帯電話に支配されてるなぁ。そう気付いた今週頭、仕事納めの12月28日までの限定期間ではありますが、ルールをひとつ制定してみました。朝の通勤だけは本を、それも詩集を読もうと。

鶴見俊輔さんの詩集は佇まいも美しい。正方形に近い判型も可愛らしいし、題名が布帛に箔押しされているさまも素敵です。ちなみに裏表紙にはやはり箔押しさ れた星が中央にひとつ。奥付の「狸男」という検印も茶目っ気がいっぱいで、心が少しほわんとあたたかくなります。愛情たっぷり、丁寧に編まれたこの詩集に は自作詩と翻訳詩が50編ほど収められていて、私はとくに訳詩が好きなのです。なかでも、戦時中、海軍通訳としてジャカルタやシンガポールに勤務してい たときの鶴見さんの心の支えだったという、戦場詩人ウィルフレッド・オウエンの作品の言葉の力は圧倒的で、普段の生活で忘れがちないちばん大切なことを、 あぶりだしてくれるような気がしてなりません。

携帯の故障から転じた、ささやかな習慣。目を通すたびに、繰り返して読むたびに、新しい発見がある詩集と一緒の朝の通勤の１時間が、いつもよりちょっとだけ安らかな時間になりました。（編集G）
#詩集 #読書#鶴見俊輔

[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め！「UVシールド」を購入する